小さな会社でもできる~“社長と従業員の信頼関係”の育て方~

「最近、せっかく採用した人がすぐに辞めてしまう」
「こちらは良かれと思ってやってるのに、なんだか不満げな顔をされる」

そんな“もどかしさ”を感じたことはありませんか?

従業員との関係は、会社の成長と密接に関わっています。
特に少人数の職場では、「人」の影響がとても大きく、一人ひとりとの信頼関係が業績や雰囲気を左右することも。

今回は、創業間もない会社や小規模な組織でも実践しやすい「信頼関係の育て方」を、社労士目線でお伝えします。

1.「言わなくても伝わる」は通用しない

従業員が3人でも30人でも、「伝え方」は大切です。

たとえば、社長として当たり前と思っている価値観――
「お客様第一」「最後までやりきる」「感謝を忘れない」など。
実は、言葉にして伝えなければ、社員には“なんとなく”しか届きません。

就業規則や評価基準に明文化するほどでなくても、日々の会話や朝礼で「うちはこういう会社にしたい」という方向性を言葉にすることが、信頼関係の第一歩になります。

2.“時間”の扱い方に信頼が表れる

「ちょっとだけ残ってくれる?」「急ぎだから休日出勤で頼める?」

こうしたお願いが続くと、従業員は「この会社、自分の時間を大事にしてくれないな」と感じてしまうことも。
小さな会社こそ、“時間”の扱いには特に敏感であるべきです。

必要なときには正しく残業手当を支払う、代休をとらせる。
無理なお願いが続いている場合は「いつもありがとう」と一言添える。

“当たり前のことを、当たり前にやる”だけでも、信頼感はぐっと高まります。

3.「任せること」は信じること

社長が全部決めて、全部管理している会社では、従業員は「言われた通りにやる人」になってしまいます。

けれど、人は“自分の判断で動けること”にやりがいや責任感を感じるもの。

「これはあなたに任せるね」
「失敗しても大丈夫、次に活かしてくれたらいいよ」
そんな声かけが、信頼の証になります。

最初は小さなことからでも構いません。
“任せる経験”を少しずつ増やしていくことで、従業員も自ら育ち、結果的に会社も育っていきます。

4.感情より「仕組み」で関係性を守る

信頼関係というと「感情」によるものと思われがちですが、実は「仕組み」が土台にあることが多いのです。

例えば、

・誰に何を相談すればいいか明確になっている
・有給休暇の取り方がルール化されている
・給与や評価の基準が納得感ある形で説明されている

こうした「ルールの透明性」がある職場では、社員が不安を感じにくくなります。

信頼は、“好き”とか“仲がいい”の前に、「安心して働けるかどうか」で育まれていくのです。

おわりに:小さな会社の“人づきあい”は、仕組みと姿勢の両輪で

「信頼関係を築く」というと、大げさに聞こえるかもしれません。

けれど、特別なことをする必要はありません。
ルールを整え、言葉にして伝え、感謝を忘れない。
その積み重ねが、働く人の安心を生み、職場全体の雰囲気を変えていきます。

「今のうちから、ちゃんと整えておきたい」
そう思ったときが、はじめ時です。

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