トラブル防止のカギは“就業規則”だった! その役割と効果とは?

「ネットのテンプレで間に合わせてる」
「10人いないから義務じゃないでしょ?」
「うちはみんな仲良しだから大丈夫!」

よく聞くセリフです。
でも、実は──その“なんとなく”のまま、ある日トラブルが起きたときが一番こわいんです。

今回は「就業規則って、作る意味あるの?」という疑問に、真正面からお答えします。

「就業規則」は、会社と社員をつなぐ信頼の約束

就業規則とは、ざっくり言えば「会社と社員との約束ごと」。
労働時間・休日・給与・ルールなど、働く上での基本的な決まりを明文化したものです。

でも、実際は“紙に書かれた法律文”じゃありません。
会社の価値観や想いを、社員に伝えるメッセージでもあるのです。

特に最近では、

  • 副業OKの流れ
  • SNSでの炎上対策
  • ハラスメントへの対応
    など、新しい課題に企業側も備える必要が出てきました。

ルールがない=自由に見えて、実は守ってくれるものが何もない状態なのかもしれません。

「就業規則がない会社」で実際に起きたトラブル例

💥 ケース1:突然の退職→有休をめぐってモメる
→規定がないまま「そんなに休まれたら困る」と感情論に。結果、労基署へ相談される。

💥 ケース2:「SNSで会社の悪口を書いた社員、解雇できる?」
→就業規則に懲戒・情報管理の項目がなければ、処分にも限界が…。

💥 ケース3:「働き方に文句言われたけど、どこまで義務があるの?」
→ルールが曖昧なせいで、社長の“常識”が通じず、信頼関係が崩壊。

「話せば分かる」
それが通じないときのために、ルールが“先回りで守ってくれる”こともあるんです。

作成すると、どんないいことがあるの?

✅ 会社の方針が伝わりやすくなる

たとえば、「テレワークOK」「副業は一部認める」など、会社の“温度感”を見せられるチャンスになります。

✅ 社員の安心感がぐっと上がる

「育休中の手当ってどうなるの?」「休職っていつまでOK?」
→あらかじめ就業規則で伝えておけば、社員も不安にならずに済みます。

✅ 採用にも強くなる

「ウチはルールも整ってますよ」というのは、小さな会社にとって信頼感につながる武器になります。

✅ 助成金の対象になる場合も

雇用関係助成金の中には、「就業規則があること」が条件のものも。
作っておくだけでチャンスが広がります。

よくある誤解、まとめてスッキリ!

🔸 Q:「うちは10人未満だから、作らなくていいんですよね?」
→法律上の義務はありません。でもトラブル予防・社員の安心のためには作っておくのがベターです。

🔸 Q:「副業を禁止したいんですけど、書けばいいだけ?」
→OK/NGだけでなく「なぜ禁止するのか」「どこまで許すのか」まで書いてこそ、トラブル回避につながります。

🔸 Q:「会社の都合で変えちゃってもいいですよね?」
→実は、社員への説明や意見聴取、場合によっては届出も必要。「勝手に変えた」はNGです!

じゃあ、どうやって作ればいい?

ネットのテンプレートをそのまま使ってしまうと、

・実際の会社の実態に合わない
・社員に「読んでもよくわからない」と思われる
・運用が難しくて結局使われない

…そんな「形だけの就業規則」になってしまいがちです。

就業規則はただ作るだけじゃ意味がありません。
日々の会社の状況に合わせて、ちゃんと運用できて初めて価値が生まれるものです。

だからこそ、最初から自社の実情や社長自身の想いをじっくり考え、
それをしっかり反映させながら作成していくことが大切です。

ただの形式的なルールではなく、
自分の会社らしい「働く環境の約束事」を自分の手で形にする。

そうすることで、社員にも伝わりやすく、
実際に運用しやすい就業規則になります。

もし途中で悩んだり、法的な面で不安があれば、
専門家(社労士)に相談しながら進めるのが安心です。

まとめ:少人数でも、ルールがあるからこそうまくいく

「毎日顔を合わせているし、言わなくても伝わる」
そんな信頼関係がある職場では、就業規則の必要性を感じにくいかもしれません。

でも、人が増えたり、働き方が変わったり、想定していなかった出来事が起きたり──
どんな会社にも、少しずつ「変化の波」はやってきます。

就業規則は、その変化にしなやかに対応し、会社と社員が安心して進んでいくための“共通ルール”です。

問題が起きてから慌てて準備するのではなく、
「今は大丈夫」なうちに、未来の安心を仕込んでおく。
それが、結果的に会社を守り、社員の信頼を育てることにつながります。

「ちゃんと作っておけばよかった」
そうなる前に、今できることから始めてみませんか?

最後に:「うちもそろそろ…?」と思ったら

就業規則について、

「まだ作っていないけど、必要かな?」
「作ったけど、これで合ってるのかな?」

そんなちょっとした不安や疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

横山社会保険労務士事務所では、
小さな会社や少人数のチームにこそ必要な“ちょうどいいルールづくり”
一緒に考えるお手伝いをしています。

もちろん、「相談だけ」でも大歓迎です。
無理に契約をおすすめすることはありませんので、安心してご連絡くださいね。

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