「評価制度がない」って、実は会社の赤信号かも?社員が「辞めたい」と思う会社の共通点

「うちの会社には、ちゃんとした評価制度がないんだよね」。
もし、あなたの会社がそうなら、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
実はそれ、会社が危険なサインを出しているのかもしれません。
評価制度がない、あるいは形だけになっている会社では、社員がどんどんやる気をなくし、最終的には「もう辞めようかな…」と考えてしまう、そんな「落とし穴」にはまりがちなんです。
今回は、難しい評価制度の話の前に、もっと大切な「評価って、どうやったら納得してもらえるんだろう?」ということを一緒に考えてみましょう。
評価制度がないと、こんな困ったことが起きるんです
評価制度がなかったり、うまく機能していなかったりすると、会社にはこんな問題が起こりがちです。
「頑張ってもムダなのかな?」って思っちゃう
一生懸命働いても、それがちゃんと評価されているのか分からないと、社員はだんだん「どうせ頑張っても見てもらえないし…」とやる気をなくしてしまいます。
成長したい気持ちも薄れてしまいますよね。
「あの人だけズルい!」って不満がたまる
誰が、どういう基準で評価されているのかがハッキリしないと、「なんであの人ばっかり得してるんだろう?」とか、「部署によって評価が全然違うのはおかしい!」みたいな不公平感が生まれてしまいます。
これでは、会社全体の空気も悪くなってしまいます。
「この会社にいて、将来どうなるんだろう?」って不安になる
自分がこの会社で、これからどうやって成長していくのか、お給料や役職はどうなっていくのか、先が見えないと不安になりますよね。
もし自分の成長が会社で評価されないと感じたら、別の会社を探そうと考えてしまうのも無理はありません。
社長や上司が「どう評価すればいいか分からない」と困る
ハッキリした評価の基準がないと、社長や上司は、自分の感覚や好き嫌いで評価せざるを得なくなってしまいます。
これって、評価する側にとっても大きな負担になりますし、公平な評価が難しくなってしまいます。
社員が辞めていく会社の共通点:制度より「納得感」が大事!

「ちゃんとした評価制度さえ作れば、全部解決するはず!」そう考える会社は多いですが、実はもっと大事なことがあります。
それは、「評価に納得できるかどうか」です。
どんなに立派な評価制度を作っても、社員が「これって納得できないな」と感じてしまったら、結局は意味がありません。
社員が辞めていく会社は、この「納得感」を得るための工夫が足りていないことが多いのです。
では、「評価に納得感」を持ってもらうためには、どんなことが必要なのでしょうか?
①「何を評価するのか」をハッキリさせる
どんなことを頑張れば評価されるのか、どんな結果を出せば評価につながるのかを、誰が見ても分かるように明確にして、社員全員に伝えることが大切です。
「頑張り」みたいな曖昧な言葉ではなく、具体的な行動や結果で示しましょう。
② 評価の「流れ」を見えるようにする
誰が、いつ、どんな風に評価をするのか、その流れを社員にオープンにすることで、社員は安心して評価を受け入れられます。
上司と部下がしっかり話し合う時間を作ることも、一方的な評価ではないことを示すためにとても重要です。
③「なぜその評価なのか」をしっかり伝える
評価の結果だけを伝えるのではなく、「なぜその評価になったのか」「もっと良くするにはどうすればいいのか」といった、具体的なアドバイスを伝えることが非常に重要です。
一方的に言い渡すのではなく、お互いに話し合う場を持つことで、社員は「自分の成長のために言ってくれているんだな」と感じ、納得感が高まります。
④「誰に対しても公平に」を徹底する
評価する人が何人いても、評価の基準がブレずに、誰に対しても公平に評価されているか、そして、評価にムラがないかが大切です。
好き嫌いで評価したり、気分で評価を変えたりすると、すぐに社員からの信頼を失ってしまいます。
⑤「何のための評価なのか」を伝える
何のために評価をするのか、その目的を社員にきちんと伝えることも重要です。
「お給料や役職を決めるためだけじゃないよ、みんなの成長を応援するためであり、会社全体で目標を達成するためなんだ」ということを理解してもらうことで、社員も前向きに評価を受け止められるようになります。
まとめ:「評価」は「話し合い」から生まれるもの

「うちには評価制度がない」というのは、確かに危ないサインかもしれません。
でも、それよりもっと危ないのは、評価制度があっても、それが社員に「納得感」を与えられていない状態です。
評価は、誰か一人の判断で決まるものではなく、会社と社員、そして上司と部下が「しっかり話し合うこと」によって作り上げられるものです。
基準を明確にし、流れを見えるようにして、質の高いフィードバックを通じて、社員が「自分の頑張りはちゃんと見てくれている」「この会社にいればもっと成長できる」と感じられる環境を整えること。
これこそが、社員が長く働いてくれ、会社がどんどん成長していくための最初の、そして一番大切な一歩になります。
あなたの会社では、社員は自分の評価に納得できていますか?
難しい制度設計の前に、まずは「社員が納得できる評価」について、じっくり考えてみませんか。
横山社会保険労務士事務所からのひとこと
人事評価の仕組みは、社員の皆さんが「よし、もっと頑張ろう!」と思えるかどうか、そして会社がもっと良くなるために、とても大切なものです。
給料や役職を決めるだけでなく、社員の皆さんが安心して働けて、どんどん成長できる会社を作るための「味方」だと考えてみてください。
もし「社員にもっと納得してもらうにはどうしたら?」といった、日々の運用についてお悩みのことがあれば、横山社会保険労務士事務所が、皆さんの会社の状況に合わせて、何かヒントをお伝えできるかもしれません。
ぜひお気軽にご相談ください。
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