【就業規則コラム vol.12】会社用スマホ・PCの使い方、どこまで決める?

~情報漏えい・SNSトラブルを防ぐために、創業初期から押さえたいITルール~

今の時代、会社にパソコンやスマートフォンがないという職場は、ほとんどありません。

それだけに、「会社のIT機器をどう使うか」というルールづくりは、創業初期から意識しておきたいポイントです。

まず決めておきたいのは「目的の明確化」

たとえば社用スマホ。

営業や顧客対応に使う目的で支給していても、個人利用の線引きがあいまいだと、思わぬトラブルにつながります。

勤務時間中に私的通話やSNS利用が常態化してしまえば、業務効率の低下通信費の増加にもつながりかねません。

まずは「会社が支給する機器は業務のために使用する」という基本方針を、就業規則や運用ルールに明記しておくことが大切です。

SNSトラブルは「意図しない投稿」から起こる

SNSが日常化した今、社員がうっかり会社情報や取引先情報を投稿してしまうケースが増えています。

悪意がなくても、写真に社内資料や顧客名が写り込んでいた…というのはよくある話です。

こうした事態を防ぐには、「SNSの個人利用に関する注意事項」を就業規則に盛り込むことも有効です。

「業務上知り得た情報は投稿しない」「会社や取引先を批判する投稿はしない」など、最低限のルールを定めておくことで、社員にも意識が芽生えます。

USBメモリ・クラウド利用の扱いも要注意

情報漏えいの原因として多いのが、外部デバイスやクラウドの不用意な利用です。

個人アカウントのクラウドに業務データを保存したり、USBメモリでデータを持ち出したりする行為は、セキュリティ上のリスクが高まります。

「会社で許可した方法以外でデータを持ち出さない」「クラウド利用は指定のサービスに限る」など、データ管理ルールを明確にしておくと安心です。

「信頼」も「自由」も守るルールづくりを

IT機器のルールを定めると、「社員を信用していないのか」と感じられることもあります。

ですが、本来の目的は社員を縛ることではなく、会社と社員の両方を守ること

トラブルが起きてから慌ててルールをつくるより、あらかじめ「安心して使える仕組み」を整えておく方がずっと健全です。

まとめ

  • 社用スマホ・PCの使用目的を明確にする
  • SNSや外部サービスの利用ルールを定める
  • データの持ち出し・保存方法を統一する

こうしたルールを就業規則や社内ポリシーに落とし込むことで、情報漏えい・炎上リスクを防ぎ、会社の信頼を守ることにつながります。

創業初期だからこそ、“今のうちに決めておく”ことが大切です。

横山社会保険労務士事務所では、会社の実態に合わせたIT関連ルールの整備についてもご相談を承っています。

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