【就業規則コラム vol.16】会社の“服装ルール”、どこまで書く?

— カジュアルOKでも線引きは必要。印象管理も就業規則の大事な一部 —
「服装は自由でいいですよ」
最近では、そう言う会社も増えてきました。
しかし――実はこの“自由”こそ、トラブルの温床になることがあります。
服装の基準は、人によって驚くほど受け止め方が違います。
社長の「カジュアルでOK」は、おしゃれとしてのカジュアルなのか、清潔さを前提としたカジュアルなのか、それとも本当に完全な自由なのか…。
説明しないままでは、社員ごとに解釈がバラバラになりがちです。
🔶なぜ就業規則で服装を明確にする必要がある?
1.“最低限のライン”を共有できるから
清潔感、暴力的・過度に露出したデザインの禁止、安全面に支障が出る服装など。
「どこまでOKで、どこからNGか」を見える形にしておくと、本人も周囲も迷いません。
2.お客様に接する職種では、会社の“印象管理”に直結するから
たとえ内勤が中心でも、突然の来客対応は起こります。
そのとき「この会社って…大丈夫?」と思われないためにも、会社としての“最低限の外見基準”は必要です。
3.注意するときの根拠になるから
「その服装はやめてほしい」に“根拠”がなければ、社員は「え、どこが悪いんですか?」となります。
就業規則に書かれていれば、話がスムーズですし、トラブルの予防にもなります。
🔶書くときのポイント:細かくしすぎない
重要なのは“具体性”と“柔軟性”のバランスです。
例えば、こんな表現がよく使われます。
- 清潔感のある服装とする
- 社会通念上、不適切と判断されるデザインは避ける
- お客様の信頼を損なうおそれのある服装は禁止する
- 業務の安全性に反する服装は禁止する(サンダル、ダボついた服など)
細かいアイテムを列挙しすぎると、逆に対応しづらくなります。
“考えたらわかるよね”の部分を、会社として共通言語にしておくイメージがちょうどいいです。
🔶最後に:服装ルールは、会社の価値観を伝える部分
服装のルールは、単なる外見の話ではなく、会社が大事にしている価値観や働き方の姿勢が表れる部分です。
だからこそ、「自由=放置」ではなく、「自由の中にも一定の枠」を示すことが大切です。
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