【就業規則コラム vol.19】トラブルゼロの退職ルール、どう決める?

退職は、会社にとっても本人にとっても、できれば静かに、きれいに終わらせたいものです。
ところが実際には、退職をきっかけにトラブルになるケースは意外と少なくありません。
・「急に来なくなった」
・「引き継ぎがされていない」
・「会社の物が返ってこない」
・「口頭で辞めると言われただけ」
こうした相談、社労士として何度も耳にします。
多くの場合、原因はシンプルです。
退職時のルールが、就業規則で曖昧なままになっている。
今回は、就業規則で最低限おさえておきたい「退職ルールのポイント」を整理します。
🔶① 退職の意思表示は「いつ・どうやって」?
まず多いのが、「LINEで『辞めます』と来たけど、これでいいんですか?」という相談です。
法律上、退職の意思表示は口頭でも有効になるケースがあります。
ただし、会社としては記録に残らない形はトラブルのもとです。
就業規則では、
・退職の申し出は書面(退職届)で行うこと
・提出先(誰に出すのか)
・提出期限(例:退職日の○日前まで)
を明確にしておくことが大切です。
「当たり前」と思っていることほど、ルールとして書いておかないと、いざというときに会社を守れません。
🔶② 引き継ぎ期間は“気持ち”ではなく“ルール”に
退職時のトラブルで特に多いのが、引き継ぎ問題です。
・途中で有休を全部使われた
・誰も仕事内容を把握していない
・担当業務がブラックボックス化していた
こうした事態は、「ちゃんと引き継いでほしい」という気持ちだけでは防げません。
就業規則では、
・退職日までに引き継ぎを行う義務があること
・引き継ぎ方法や範囲は会社が指示できること
といった点を明記しておくと、会社として対応しやすくなります。
感情論ではなく、ルールとして整理しておくことがポイントです。
🔶③ 返却物は、意外と忘れられる
退職後に気づいて慌てるのが、返却物の問題です。
・会社のPCやスマホ
・制服や作業着
・ICカード、鍵
・社内資料やデータ
「返してもらうのは当然」と思いがちですが、これも明確に書いておかないと回収が難しくなることがあります。
就業規則には、
・退職時に会社の物はすべて返却すること
・返却期限
・未返却の場合の対応(損害が出た場合など)
を整理しておくと安心です。
🔶④ “円満退職”は、ルールづくりから始まる
退職トラブルというと、「問題のある社員が原因」と思われがちですが、実はルールが整っていないことが原因のケースも多いです。
退職は、どの会社にも必ず起こります。
だからこそ、
・感情に左右されない
・誰が相手でも同じ対応ができる
そんな土台として、就業規則が役立ちます。
「うちはまだ小さい会社だから…」
「今まで揉めたことがないから…」
そう思っている今こそ、一度、退職ルールを見直してみてください。
就業規則は、社員を縛るためのものではなく、会社と社員、双方を守るためのルールです。
退職時に余計なストレスを生まないためにも、“抜けがちな部分”こそ、丁寧に整えておきましょう。
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