【就業規則コラム vol.21】就業規則を作ったあと、社長がやりがちなNG行動

― ルールを作ったことで、逆にリスクを高めてしまうケース ―
就業規則を作ると、「これでひと安心」「一通り整った」そんな気持ちになる社長は多いです。
実際、ここまでたどり着くのも大変ですし、“ちゃんとした会社になった”という感覚が生まれるのも自然だと思います。
ただ、実務の現場を見ていると、就業規則を作った“その後”の社長の行動が、思わぬリスクを生んでいるケースが少なくありません。
今回は、特に多いNG行動をいくつか取り上げます。
🔶① 「とりあえず作ったから、あとは見ない」
就業規則は作った瞬間から「使われる前提のルール」になります。
にもかかわらず、
- 内容をほとんど把握していない
- どこに何が書いてあるか分からない
- 現場で何かあっても、規則を確認しない
こうした状態のまま日常の判断を続けてしまう社長は少なくありません。
結果として、
就業規則と、実際の対応がズレる
→ 「書いてあること」と「やっていること」が食い違う
という状態が生まれます。
このズレは、いざトラブルになったときに、必ず突かれるポイントです。
🔶② 「規則よりも、いつもの感覚を優先する」
就業規則を作る前からの会社には、暗黙のルールや社長なりの判断基準が必ずあります。
問題は、就業規則を作った“あとも”、その感覚だけで対応してしまうこと。
たとえば、
- 規則上は必要な手続きを飛ばして注意・指導をする
- 本来は段階を踏むべき対応を、一気に進めてしまう
- 人によって扱いが変わる
社長としては
「これくらい普通」「今までも問題なかった」
という感覚かもしれません。
でも、就業規則が存在する以上、基準は“書いてある内容”です。
感覚での対応が続くと、「規則はあるのに、守られていない会社」になってしまいます。
🔶③ 「例外対応を重ねすぎる」
現場では、どうしても例外対応が必要になる場面があります。
- 忙しいから今回は省略
- この人だけ特別
- 今回は目をつぶろう
こうした判断自体が、すべて間違いというわけではありません。
ただ、例外が積み重なると、それが“新しいルール”のように受け取られてしまうことがあります。
社員の側から見ると、
「規則より、社長のその場の判断が優先される会社」
に見えてしまう。
そうなると、いざ規則どおりに運用しようとしたときに「前は違った」「不公平だ」という反発が出やすくなります。
🔶④ 「就業規則を“武器”として使おうとする」
これはトラブルが起きたあとに多いNG行動です。
- もめ始めてから規則を持ち出す
- 都合のいい条文だけを強調する
- 普段は触れていなかった規定を突然適用する
社長としては「規則に書いてあるんだから問題ないはず」と思うかもしれません。
でも、社員から見ると、
「今まで説明もされていなかったルールを、不利な場面でだけ出してきた」
と感じられてしまうことが多いのです。
就業規則は“守るための盾”にはなりますが、急に振りかざすと、逆に火種になることもあります。
🔶さいごに
就業規則は、作っただけでは会社を守ってくれません。
むしろ、
- 内容を把握せず
- 感覚優先で運用し
- 例外を重ね
- トラブル時だけ使う
こうした状態になると、「規則があること」自体がリスクになります。
就業規則は、社長の判断を縛るものではなく、判断を“支える土台”です。
「いまの対応、規則とズレていないかな」
そう一度立ち止まる習慣を持つだけでも、トラブルの芽はかなり減らせます。
就業規則は、作ったあとからが本当のスタートです。
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