【就業規則コラム vol.23】就業規則と社内ルール(内規)、分けたほうがいい理由

― 法的効力の違いと、実務での使い分け ―

「これは就業規則に書くべきですか?
それとも、社内ルールとして運用すればいいですか?」

ご相談を受けていて、実はとても多い質問です。

結論から言うと、就業規則と社内ルール(内規)は、分けて考えたほうがいい場面が少なくありません。

その理由は、「法的効力」と「実務の使いやすさ」が、まったく違うからです。

🔶就業規則は「法的なルール」

就業規則は、労働基準法に基づく正式なルールです。

一定の要件を満たせば、
・労働条件の根拠になる
・従業員を拘束する効力を持つ
・トラブル時の判断材料になる

といった、強い法的意味を持ちます。

その反面、

  • 記載内容には法的な制約がある
  • 変更時には手続きが必要
  • 軽い運用変更でも簡単には直せない

という「重さ」もあります。

だからこそ、就業規則には、「労働条件の根幹」「会社として守るべき最低限のルール」を中心に書くのが基本です。

🔶社内ルール(内規)は「運用のためのルール」

一方、社内ルール(内規・運用ルールなど)は、会社が独自に定める実務向けのルールです。

たとえば、

  • 申請書の提出期限
  • 社内での細かい手順
  • 運用上の注意点
  • 現場に合わせた細かな決まり

こういったものは、内規のほうが圧倒的に向いています。

内規は、

  • 現場の実情に合わせて調整しやすい
  • 変更や見直しがしやすい
  • 就業規則をシンプルに保てる

というメリットがあります。

🔶すべて就業規則に書くと、何が起きるか

「ちゃんと決めておいたほうが安心だから」と、何でも就業規則に書いてしまう会社もあります。

ただ、その結果として、

  • 実態と合わない規定が残る
  • 守れていないルールが増える
  • いざというとき、逆に不利になる

というケースも少なくありません。

就業規則は、「書いてある=守っている前提」で見られる文書です。

だからこそ、“変わりやすいもの”“運用で調整したいもの”まで無理に入れる必要はないのです。

🔶実務上のおすすめの考え方

横山社会保険労務士事務所がおすすめしている考え方は、とてもシンプルです。

  • 就業規則
     → 労働条件の軸・法的に意味を持たせたいルール
  • 社内ルール(内規)
     → 日々の運用をスムーズにするための具体策

この役割分担ができると、

  • 就業規則が「使えるルール」になる
  • 現場の運用が楽になる
  • 変更へのハードルが下がる

という、いい循環が生まれます。

🔶どこまでを就業規則に書くべきか、迷ったら

「これは就業規則?それとも内規?」
この線引きは、会社の状況によって変わります。

大切なのは、法的に守りたいのか、運用として回したいのかを考えることです。

就業規則は、“たくさん書くこと”よりも、“きちんと使える形にすること”が何より大切です。

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