2025年度最低賃金、全国平均1118円に――中小企業がとるべき賃金と人材確保の工夫
こんにちは。横山社会保険労務士事務所の横山勝です。
今年度の最低賃金は、全国平均で時給1118円となる見通しです。
引き上げ幅は過去最大の63円。
一部の地方では64円となり、初めて都市部を上回るケースも出てきました。
これにより、すべての都道府県で最低賃金が1000円を超える見込みです。
なぜこんなに大きく上がるのか
今回の大幅な改定の背景には、 物価上昇による生活費の増加
地域間の賃金格差を縮める必要性
などがあります。
特に一部地方では人手不足が深刻で、賃金を上げなければ人材確保が難しい状況にあるため、都市部よりも大きな引き上げ幅が設定された地域も出てきました。
企業にとっての影響
最低賃金の改定は、単に「時給を上げればよい」という話ではありません。
- パート・アルバイトの賃金を再計算する必要がある
- 基本給+各種手当を含めた賃金体系の見直しが必要
- 昇給・賞与など、他の従業員とのバランスも考慮する必要がある
といった課題が出てきます。
特に、小規模事業所では人件費の負担増が経営に直結するため、対応が求められます。
社労士としての視点
最低賃金の大幅引き上げは、単なる人件費増ではなく「地域の人材確保策」としての意味合いも強まっています。
特に地方では、慢性的な人手不足が経営課題の最前線にあります。
賃金水準を引き上げることで応募者が集まりやすくなる一方で、企業にとってはコスト負担が重くなる現実も避けられません。
だからこそ、
- 賃金制度や手当の設計を見直し、公平で納得感のあるルールに整える
- 人材の定着や育成を重視した労務管理にシフトする
ことが、今後ますます重要になります。
最低賃金の数字だけに対応するのではなく、会社全体の労務管理をどう整えるか──。
この視点を持つことが、地域で人を集め、事業を継続していくカギになるでしょう。
まとめ
今年度の最低賃金引き上げは、経営環境に少なからず影響を及ぼすものです。
「改定額を守る」ことはもちろんですが、就業規則や賃金制度を改めて見直す良い機会とも言えます。
さらに、賃金制度と人材確保の工夫を一体で考えることが、今後の経営の安定につながります。
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