「もし社員からクレームを受けたらどうすれば…」創業者のドキドキ相談

創業したばかりの会社で、社員から予期せぬクレームを受けると、誰でも一瞬心臓が止まりそうになりますよね。

「まだ経験が浅いのに、どう対応すればいいんだろう…」
「この対応で会社の雰囲気が悪くなったらどうしよう…」

そんな不安が頭をよぎり、冷静さを保つのが難しくなることもあるでしょう。

でも、安心してください。

クレームは決して「自分の能力不足を示すもの」ではありません。
むしろ、社員の気持ちを知り、会社の運営やコミュニケーションを改善する貴重なチャンスでもあります。

大切なのは、感情に流されず順序立てて対応することです。

今回は、創業者がドキドキしながらも冷静にクレームに向き合える手順を、具体的に整理してみました。

1.まずは落ち着いて話を聴く

クレームを受けた瞬間、人はつい言い訳や反論を考えてしまいます。

「いや、それは違うんだ」と頭で反論を組み立てる前に、まずは深呼吸して社員の話を最後まで遮らずに聴くことが大切です。

ポイントは、

  • 話を途中で遮らず、相手の言葉をそのまま受け止める
  • 感情を否定せず、「そう感じたんだね」と共感を示す
  • メモを取りながら、事実と感情を分けて整理する

例えば、「仕事量が多くて疲れている」という声には、ただ「頑張ってね」と返すのではなく、どの仕事が負担になっているのか具体的に聴くことで、後の改善策に活かせます。

2.事実を整理する

社員の話を聴いた後は、冷静に事実を整理します。

「聴いたこと=すべて事実」と決めつけないことが大切です。

整理するポイント

  • 何が起こったのか
  • どのタイミングで問題が生じたのか
  • 関係者は誰か

創業間もない会社では情報が錯綜しやすく、誤解や伝達不足からトラブルに発展することもあります。

ここでしっかり整理しておくと、後で社内の誰にどのように説明するか、解決策をどう決めるかがスムーズになります。

3.すぐに答えを出さない

「すぐに解決策を出さなければ」と焦る必要はありません。

むしろ焦って結論を出すと、対応が中途半端になったり、誤解を招いたりするリスクがあります。

ここでのコツは、

  • 「一旦確認して、折り返します」と伝える
  • 必要であれば、社労士や専門家に相談する
  • 社員には対応を放置しているわけではないと伝える

時間を置くことで、自分の感情も整理され、より建設的な対応策を考えやすくなります。
社員にとっても「ただ聞き流されたわけではない」と安心材料になります。

4.解決策を検討・提示する

事実を整理し、冷静に考えたら次は解決策の提示です。

  • 社員に伝える際は、感情ではなく事実と根拠に基づいて説明する
  • 実行可能な改善策や対応方法を具体的に示す
  • 再発防止策もあわせて検討する

例えば、「仕事量が多すぎる」というクレームなら、業務の分担や優先順位の調整、進捗確認の方法など、具体的な手段を提示します。

ポイントは、社員を納得させるというよりも、「問題を放置せず、真剣に向き合う姿勢を示す」ことです。

5.フォローアップ

クレーム対応は一度伝えたら終わり、ではありません。

  • 実施した対応が社員にきちんと伝わったか確認する
  • 同様の問題が再発していないか定期的にチェックする
  • 必要に応じて改善策をアップデートする

こうしたフォローアップがあると、社員は「会社が自分の声を大切にしてくれる」と感じ、信頼関係が強化されます。

創業期にこそ、こうした小さな積み重ねが会社の土台になります。

🔷まとめ

社員からのクレームは、創業者にとって想定外でドキドキする瞬間ですが、冷静に順序立てて対応すれば、会社の成長や社員との信頼関係構築につながります。

大切なのは次の3つです。

  1. 感情に流されず、まずは話を最後まで聴く
  2. 事実を丁寧に整理してから対応を考える
  3. 解決策を示し、必ずフォローアップする

クレームは避けたい出来事のように思えますが、実は会社の課題や改善点を教えてくれる貴重なサインです。

創業者だからこそ、社員の声に耳を傾け、丁寧に対応することで、会社の信頼関係やチーム力が自然と強化されます。

🔷社労士としてのひとこと

社員からの声やクレームは、会社が大きくなる前に「改善できるチャンス」を与えてくれているサインです。

感情的に受け止めるのではなく、仕組みや制度に活かしていくことが、結果的に会社を守ることにつながります。

もし「対応が正しいのかわからない」「他の会社ではどうしているのか知りたい」と不安に思ったときは、ぜひ専門家にご相談ください。

冷静な視点を持つ第三者の助言が、会社の安心につながります。

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