【就業規則コラム vol.17】うちの会社らしさをどう盛り込む?

— “ひな型”の就業規則をベースに、自分たちの文化を反映させるコツ —
就業規則を作ろうとすると、まず参考にするのが、ネットや書籍でよく見かける「ひな型の就業規則」ではないでしょうか。
法律に沿って整理されていて、最低限必要な項目もそろっている。
その意味では、とても心強い存在です。
ただ、そのまま使ってしまうと、「どこの会社でも同じような内容」になってしまうことも少なくありません。
本来、就業規則は、その会社がどんな考え方で、どんな働き方を大切にしているのかを伝える役割も持っています。
ひな型をベースにしつつ、少し手を加えるだけで「うちの会社らしさ」は十分に表現できます。
🔶1.前文に“会社の姿勢”をひとこと添える
ひな型の就業規則は、ルール中心の構成になりがちです。
そこでおすすめなのが、前文に会社の姿勢をひとこと添えること。
立派な理念や難しい言葉は必要ありません。
普段、社長が大事にしている考え方で十分です。
たとえば
- 少人数だからこそ、互いに助け合うことを大切にしたい
- 無理なく、長く働ける職場を目指している
こうした一文があるだけで、就業規則全体の印象は大きく変わります。
🔶2.「実際の運用」に合わせて書き換える
ひな型の就業規則は、どうしても一般論になりがちです。
そのままだと、実際の運用とズレが生じることもあります。
特にズレが出やすいのが、
- 勤務時間や休憩の取り方
- 在宅勤務や柔軟な働き方
- 突発的な業務対応が必要な場合
すでに社内で「なんとなく決まっているやり方」があるなら、それを文章に落とし込むのがポイントです。
普段やっていることを、そのままルールにするだけでも、社員の安心感は高まります。
🔶3.判断基準を言葉にしておく
小規模な会社ほど、「ケースバイケース」で対応している場面が多いと思います。
ただ、それを言葉にしていないと、後から「不公平だ」と感じられてしまうこともあります。
そこで、ひな型の文章に、判断の考え方だけを補足しておくのがおすすめです。
たとえば、
- 業務上の必要性を踏まえて会社が判断する
- 事前に相談のうえ、上長が決定する
この一文があるだけで、会社も社員も、気持ちがずいぶん楽になります。
🔶4.完璧を目指さない
創業期や少人数の会社では、将来の働き方をすべて想定するのは難しいものです。
だからこそ、最初から完璧な就業規則を作ろうとしなくて大丈夫です。
「今の会社に合っているか」
「今の社員が安心して働けるか」
この視点で整え、必要になったタイミングで見直していく。
それで十分、実用的な就業規則になります。
🔶まとめ
ひな型の就業規則は、あくまで“土台”。
そこに、会社の考え方や、実際の働き方を少しずつ重ねていくことで、就業規則は「うちの会社のルール」になっていきます。
「何をどう書けば、会社らしさになるのか分からない」
そんなときは、会社の状況を整理するところから考えていきましょう。
就業規則を、会社と社員をつなぐ道具として活かしたい。
そう思われたら、いつでも横山社会保険労務士事務所にご相談ください。
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