36協定を締結するときに見落としやすいポイント

年度末になると、多くの会社で翌年度の36協定の締結準備が行われます。
36協定は毎年更新する書類であるため、「前年の書類を参考に作成している」という会社も少なくありません。
しかし、実際には記載項目の意味を十分に理解しないまま前年の内容をそのまま使っているケースも見受けられます。
そこで今回は、36協定を締結する際に特に誤解されやすい項目や注意したいポイントについて整理しておきます。
🔷労働者数は起算日時点で考える
36協定の協定事項には「労働者数」を記載する項目があります。
ここでいう労働者数とは、時間外労働や休日労働を行わせる可能性がある労働者の人数を指します。
この人数は、36協定の起算日時点の人数で記載するのが基本です。
例えば、36協定の起算日が4月1日の場合、
- 3月末で退職する従業員
- 4月1日付で入社する従業員
といった入退社の予定も踏まえ、4月1日時点の人数を想定して記載することになります。
🔷「1日の時間外労働」も上限として守る必要がある
36協定では、延長することができる時間として
- 1日
- 1か月
- 1年
それぞれの上限時間を定めます。
多くの会社では、
- 月45時間
- 年360時間
といった限度時間を意識して管理していますが、見落とされがちなのが「1日」の時間数です。
例えば、36協定で、
1日4時間
と定めている場合、仮に機械の突発的な故障などが発生し、5時間の時間外労働を行わせた場合は36協定違反となります。
36協定は、月や年だけでなく、協定に記載したすべての内容を遵守する必要があります。
そのため、実際の業務実態を踏まえ、無理のない時間設定にすることが重要です。
🔷法定休日に労働させることができる日数
36協定には、休日労働に関する項目として「労働させることができる法定休日の日数」を記載する欄があります。
これは、法定休日に労働させる可能性のある日数を示すものです。
例えば、
「1か月に1日」
と記載した場合、
法定休日に労働させることができるのは月1日のみとなります。
もし繁忙期などに、
法定休日に2日出勤してもらう可能性がある
のであれば、
「1か月に2日」
と記載しておく必要があります。
🔷法定休日における始業・終業時刻
36協定届には、「労働させることができる法定休日における始業及び終業の時刻」を記載する欄があります。
この欄には、会社の通常の始業時刻・終業時刻をそのまま記載しているケースも見られますが、この項目は、法定休日に労働させる場合の始業時刻と終業時刻を示すものです。
したがって、
- 通常より早い時間から作業する可能性がある
- 早朝出勤が想定される
といった場合には、その可能性も踏まえて時刻を設定する必要があります。
🔷特別条項を設ける場合の手続き
36協定に特別条項を設ける場合、注意したい項目の一つが「限度時間を超えて労働させる場合の手続き」です。
この手続きの方法は会社が任意に定めることができますが、例えば「過半数代表者への申し入れ」と記載した場合には、特別条項を適用する際、
- 過半数代表者への事前申し入れ
- 申し入れを行ったことの記録の保存
などの対応が必要になります。
つまり、36協定に記載した手続きは、実際に運用として実施することが前提になります。
🔷36協定は実態に合わせて見直すことが重要
36協定は毎年作成する書類であるため、前年の内容を参考にして作成すること自体は珍しいことではありません。
ただ、実務の現場では「以前からこの内容で提出しているから」という理由で、そのまま更新されているケースも少なくありません。
しかし、36協定に記載した内容は、すべて会社が守るべきルールになります。
そのため、協定を締結する際には、
- 実際の働き方と合っているか
- 想定している運用に無理がないか
といった点を確認しながら作成することが大切です。
更新のタイミングは、協定内容を見直すよい機会でもあります。
一度、現在の働き方と照らし合わせて確認してみるのもよいでしょう。
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