【2025年版】年度更新でよくあるミスとその防ぎ方~初心者・少人数事業所にもありがちな注意ポイントを徹底解説~

6月から7月にかけて行われる「労働保険の年度更新」。
事業主が従業員に支払った賃金をもとに、労災保険・雇用保険の保険料を精算・申告する、大切な年次業務です。
ただ、年に一度の手続きのため、やり方を忘れてしまったり、慣れないまま進めてしまってミスが起こることもよくあります。
今回は、実際の現場でよく見かけるミスとその防止策を、できるだけ具体的にご紹介します。
ミス①:「支給日」ベースで集計してしまう
年度更新では、「いつの分の賃金か(支払対象期間)」が基準です。
たとえば、6月10日に支払った給与が「5月分」であれば、集計には5月の賃金として扱います。
ありがちなのが、支払日を基準にしてしまい、6月分として処理してしまうケース。
こうなると年度内の賃金集計がズレてしまい、保険料が正しく算定されません。 防ぐには?
給与台帳や明細書を見ながら「何月分の給与か」を確認し、支払対象月ごとに整理しておくのがコツです。
ミス②:パート・アルバイトの給与を集計から漏らしてしまう
「学生バイトだし」「短時間勤務だから」と思って除外してしまうのは要注意。
労働保険では、雇用形態にかかわらず、賃金を受け取っている全員が対象です。
正社員だけでなく、パート・アルバイト、時給制、契約社員もすべて含まれます。 防ぐには?
1年間で支払った「全従業員分」の給与を、雇用形態を問わずに一覧化すること。
社会保険と異なり、労働保険は適用対象が広いという点を意識しておきましょう。
ミス③:「役員報酬」も賃金として計上してしまう
労働保険の対象となるのは「労働者に対して支払われた賃金」であり、会社の役員(代表取締役など)に対する「役員報酬」は通常対象外です。
とくに、創業まもない会社では、役員自らが現場でバリバリ働いているケースもあり、「給与みたいなものだし」と無意識に含めてしまうことがあります。 防ぐには?
役員と労働者の区別を明確にしておくこと。
法人登記簿や雇用契約書などで、役員であることが確認できる場合は、原則として労働者には該当しません。
ミス④:期限ギリギリ、または提出を忘れてしまう
年度更新の提出期間は、2025年度は、6月2日~7月10日。
この間に、保険料の確定申告と概算申告、そして納付を行う必要があります。
ギリギリまで手をつけずにいて、あわてて仕上げたらミス連発…という話もよく耳にします。 防ぐには?
5月中に「準備チェックリスト」をつくっておくと安心です。
また、e-Gov(電子申請)を利用すると、提出状況がオンラインで確認できるだけでなく、控えの保存も簡単になります。
おわりに
年度更新は「毎年のこと」ですが、「毎年ちょっとずつ変わる」部分もあります。
少人数の会社でも、ミスがあれば余計な手間がかかったり、後日訂正申告になったり…。
そうならないためにも、ひとつひとつの作業を丁寧に見直すことが、実は一番の近道です。
もし「これ合ってるかな?」「誰かに確認してほしいな」と感じたら、
無理に抱え込まず、社労士に相談してみてくださいね。
手続きに追われる6月こそ、「見落としのない丁寧さ」を持ちたいな…と、毎年自分にも言い聞かせている時期です。
少しでも「気になるな」と感じたら、お気軽にご相談くださいね。
下の【お問い合わせフォーム】よりご連絡ください。