就業規則が“形だけ”になってる会社が見落とすこと
「就業規則? ありますよ。数年前に作ったやつが引き出しの中に…」
こんなふうに言われること、実はよくあります。
「トラブルもないし、特に困ってないから」
「うちは小さい会社だから、あまり細かく決めすぎても…」
そんなふうに思っている方も多いかもしれません。
でも実は、“とりあえず作ってそのまま”になっている就業規則こそ、あとで困る原因になることがあるんです。
■ 就業規則は「作ること」より「使うこと」が大事

就業規則って、10人以上の従業員がいる会社では作らないといけない決まりがあります。
でも、作っただけでは実はあまり意味がありません。
大事なのは、その中身が、今の働き方や会社のルールとちゃんと合っているかどうか。
たとえば──
- フレックスタイムやリモートワークを始めたのに、規則は昔のまま
- 新しい制度を導入したけど、どこにもルールとして明記されていない
- 就業規則に書いてあるけど、社員に一度も説明していない
こういう状態だと、何かあったときに「うちのルールではこうなってます」とは言いづらくなります。
■ トラブルのときに問われるのは「内容」と「運用」
ある会社の話です。
遅刻を繰り返す社員に注意をしていたけれど、改善が見られなかったので懲戒処分に。
ところがその社員から「いきなり処分された」「不当だ」と言われ、問題が大きくなってしまいました。
社長からすれば当然の対応に思えることでも、就業規則に「どういう場合に懲戒処分になるか」がはっきり書かれていなかったり、周知されていなかったりすると、正当性を証明するのが難しくなってしまいます。
逆に、就業規則に明確なルールがあって、普段からきちんと運用されていれば、会社をしっかり守ってくれるものなんです。
■ 放置された就業規則にありがちなリスク
見直しをせず、放置されたままの就業規則には、こんなリスクがあります。
- 今の働き方に合っていない
→ テレワーク、副業、ハラスメント防止など、現代の働き方に対応できていない - 曖昧な内容で、トラブル時の根拠にならない
→ 具体的なルールが書かれていないと、「これは正しい指導だった」と説明しにくい - 社員が内容を知らない
→ 入社時に渡しただけで、実際には読まれていない・理解されていない
せっかく作ったのに、「あっても意味がない」状態になっている会社も少なくありません。
■ 「うちの今」に合っているか、確認してみませんか?
会社の状況って、日々変わっていきますよね。
・新しい人が入った
・新しい制度を始めた
・業務のスタイルが変わった
にもかかわらず、就業規則だけが何年も前のままだとしたら──
その“ズレ”が、思わぬところで問題になることもあるんです。
「まだ何も起きてないから大丈夫」ではなく、
「今のうちに見直しておく」ことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
■ まとめ:小さな会社にこそ、ルールが力になる
就業規則は、社員を縛るためのものではありません。
むしろ、「社員と会社が同じ基準で動けるようにする」ためのものです。
- 社長が安心して判断できる
- 社員も納得して働ける
- 誰かが辞めたときも、ブレずに対応できる
そんな会社の中で安心して使える共通ルールとして、しっかりと力を発揮してくれます。
「うちは従業員が数人だから…」という会社ほど、ルールのある安心感が大きな助けになりますよ。
■ 横山社会保険労務士事務所では…
就業規則の見直し・再設計を、経営者さんと一緒に進めています。
- 内容が古いかもしれない
- 最近制度を変えたけど、反映できていない
- ちゃんと運用できているか不安
そんな方は、一度お話ししてみませんか?
ルールが“動いている会社”は、経営も安定してきます。
気軽なご相談からでも大歓迎です。
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